講師 北村恵子からご挨拶
初めまして、お菓子講師の北村恵子です。
私とお菓子の出会い
私とお菓子作りとの出会いは幼少期です
手作りが大好きな母がお誕生日にいつもケーキを焼いてくれていた為、手作りおやつはとても身近でした。
ただ当時はどちらかというと食べる専門で、私が作った事あるのは絞り出しクッキーだけ。
それでも自分で作った絞り出しクッキーの美味しかった事!!
母がお休みの度にお願いして何度も一緒に作っていた事を今でも鮮明に覚えています。
そして、その頃から絞り出す作業がとても大好きでした。
当時は絞り出しクッキーに赤や緑のドレンチェリーを飾るのが主流で、ドレンチェリーを見かけると当時作っていたクッキーを懐かしく思い出します。
もう二度と作らない・・・お菓子との決別
そんな絞り出しクッキーを作るのが大好きな私がお菓子を作らなくなったのは中学3年生の時のある出来事がきっかけ
受験勉強中の私に幼なじみが焼き立て熱々のサツマイモケーキを持ってきてくれて、その美味しさに感動したのと手作りお菓子をプレゼントされる嬉しさが忘れられず、後日幼なじみに本を借りてその中からスポンジケーキを焼いてみる事にしたのです。
『よ〜し、スポンジケーキにデコレーションして今度は私が友人を喜ばせるぞ!』と意気揚々とケーキを作り出しました
ところが本を見ただけでは、「どこまで泡立てるのかわからない」「混ぜ終わりのタイミングはどこまで?」「混ぜ方はそもそも合っているのか?」
お菓子作りが好きな母に聞いても、母もきちんと習った訳ではなく感覚的に作っていたので正解がわからず・・・??はてながいっぱいの中、ようやくオーブンへ入れてドキドキしながら焼き上がるのを待っていました
そうして出来上がった物は…まるでせんべいのように薄く固い物体
兄には「えらい時間かけてせんべい作ったんか?」と鼻で笑われ、悲しいやら悔しいやら情けない気持ちが込み上げてきて、私はそのせんべいをゴミ箱にドサッと投げ捨てました
「スポンジケーキってこんなに難しいの?それとも私にセンスがないのか?友人は上手にできているのに私は上手に作れない。こんなに時間と労力をかけて出来上がったのが、このせんべい…もう二度とお菓子作りはしない!」と決めた瞬間でした
再開
それから随分と月日は流れ、ちょうど会社を退職して自由時間ができた私に友人が『お菓子教室の体験レッスンに行かない?』と声をかけてきたのです。
すぐに私の脳裏に、あの日のせんべいケーキがよぎりました笑
『ケーキ作り苦手やわ』という私に『だから習いに行くんやん!』と友人
内心ドキドキ・ソワソワしながら恐る恐るお菓子教室のチャイムを鳴らしました
始めての自宅教室、本格フランス菓子、それだけでも緊張するのに、まさかのペア作業(相手の方に迷惑がかかるかも)で、それはそれは不安になりながらのケーキ作りスタート
そのお菓子教室では先生がデモンストレーションを見せてくれる為、自分がやる作業がとても明確でわかりやすい。
その上一つ一つの作業に全て解説を入れて、なぜ?どうして?が気になる私は、もうすっかりケーキ作りの虜に。そして気がつけばなんという事でしょう!
全くセンスのない私が先生のご指導のもとシャルロットという名の中級レベルのフランスの伝統菓子を作り上げる事ができたのです。
昔、絞り出す作業が好きだった事を思い出し、童心に帰ったように夢中でお菓子作りを楽しみました。
『せんべいケーキしか作れない私でも、こんな華やかなケーキが作れた!楽しすぎる!私でもやればできる!混ぜ具合の目安ってここなのねー!自分で作ったパーツを一つずつ組み立てて、華やかなケーキに組み立てていく工程が最高に楽しい!』
この時の高揚感・達成感・充実感・シャルロットが出来あがった瞬間の光景全てを今でも鮮明に覚えていますそして、同時に家族がとっても驚いて喜んでくれた事、一生忘れません
ここから私のフランス菓子人生はスタートしました。